持ち家と賃貸、どちらが得?ライフスタイル別にメリット・デメリットを比較
日本で暮らしていると、一度は「家を買ったほうがいいのか、それとも賃貸で暮らし続けたほうがいいのか」と考えることがあるのではないでしょうか。
特に50代や60代になると、老後の住まいや毎月の生活費について、今まで以上に気になるようになります。
住宅を購入すれば、住宅ローンを完済した後の家賃負担を抑えられます。
一方、賃貸には、家族構成や生活環境の変化に合わせて住み替えやすいというメリットがあります。
日本では、持ち家と賃貸のどちらが得なのかという議論が長く続いています。
今回は、住宅購入と賃貸に一生かかる費用をモデルケースで比較しながら、それぞれのメリットとデメリット、老後の住まいを考える際の注意点について調べてみました。
日本で持ち家と賃貸はどちらが得?
結論から言うと、持ち家と賃貸のどちらが絶対に得とは言い切れません。
住んでいる地域、購入する住宅の価格、住宅ローンの金利、家賃、家族構成、将来の住み替え予定によって、結果が大きく変わるからです。
東京都心のように住宅価格や家賃が高い地域と、地方都市では条件がまったく異なります。
また、今後20年以上同じ場所に住み続ける予定なのか、定年後に別の地域へ移る可能性があるのかによっても、向いている選択は変わります。
そのため、単純に総額だけを比べるのではなく、将来どのような暮らしをしたいのかを考えることが大切です。
持ち家に向いている人
持ち家は、今後も長期間同じ地域で暮らしたい人に向いています。
子どもの学校や仕事の都合で引っ越す予定がなく、老後の家賃負担をできるだけ減らしたい場合は、住宅購入が選択肢になります。
住宅ローンの返済額が現在の家賃と大きく変わらず、固定資産税や修繕費も含めて無理なく支払えることが重要です。
賃貸に向いている人
賃貸は、転勤や住み替えの可能性がある人、将来住みたい地域がまだ決まっていない人に向いています。
子どもの独立後に小さな家へ移ったり、生活費や住環境を考えて地方への移住を検討したりする場合も、賃貸のほうが柔軟に対応できます。
建物の管理や大きな修繕を自分で行う必要がない点もメリットです。
家を購入した場合にかかる費用
例えば、4,000万円の住宅を35年ローンで購入するケースを考えてみます。
毎月の住宅ローン返済額は、金利や返済方法、頭金の有無によって変わりますが、おおよそ10万円台になることがあります。
35年間の総返済額は、借入金額よりも大きくなり、条件によっては4,500万円から5,000万円前後になる場合もあります。
ただし、住宅購入に必要なのは住宅ローンだけではありません。
住宅ローン以外にも必要な費用
住宅を購入する際には、登記費用、仲介手数料、住宅ローンの事務手数料、火災保険料などの諸費用がかかります。
物件価格とは別に、ある程度まとまった資金を準備しておく必要があります。
購入後も、固定資産税や都市計画税を毎年支払います。
さらに、戸建ての場合は外壁や屋根、給湯器、水回りなどの修繕費が必要です。
住宅ローンを完済しても、住居費が完全にゼロになるわけではありません。
マンションと戸建てで異なる維持費
マンションでは、毎月の管理費と修繕積立金が必要です。
築年数が古くなると、修繕積立金が段階的に引き上げられることもあります。
管理費と修繕積立金を合わせると、毎月の負担が数万円になるマンションもあるため、購入前に現在の金額だけでなく、将来の値上げ予定も確認したいところです。
戸建てには毎月の管理費はありませんが、外壁塗装や屋根修理などの費用を自分で準備しなければなりません。
どちらの場合も、長期間住むための修繕費を考えておく必要があります。
日本の住宅は価値が下がりやすい?
日本では、土地の価値は残っても、建物部分の評価は築年数とともに下がりやすいと言われています。
特に中古の木造戸建ては、築20年から25年ほどで建物部分の市場評価が大きく下がる傾向があるとされてきました。
ただし、これは住宅の実際の寿命が20年程度という意味ではありません。
建物の状態、耐震性能、定期的な修繕、リフォームの内容によって評価は変わります。
また、駅に近い地域や再開発が進んでいる地域などでは、築年数が経っても価格が保たれることがあります。
住宅を資産として考える場合は、建物の新しさだけでなく、立地や周辺環境も重要です。
賃貸で暮らす場合にかかる費用
次に、賃貸住宅で暮らす場合を考えてみます。
月8万円の家賃を35年間支払うと、単純計算で約3,360万円になります。
月10万円なら約4,200万円です。
さらに50年間住み続けると、月8万円の場合は約4,800万円、月10万円の場合は約6,000万円になります。
ただし、これは家賃が一度も変わらず、引っ越しもしない場合の単純なモデルケースです。
実際には、更新料や引っ越し費用、家賃の変動なども考える必要があります。
家賃以外に必要な費用
賃貸住宅では、入居時に敷金、礼金、仲介手数料、保証会社の利用料などがかかる場合があります。
契約更新の際に更新料が必要な地域もあります。
住み替えるたびに、引っ越し代や新しい住宅の初期費用が発生する点にも注意が必要です。
一方、固定資産税や建物の大規模修繕費を直接負担する必要がないことは、賃貸の大きなメリットです。
高齢になってからの賃貸契約にも注意
賃貸は住み替えやすいことが魅力ですが、高齢になると新しい賃貸住宅の契約が難しくなる場合があります。
年金収入だけになることや、保証人を用意できないことを理由に、入居審査が厳しくなるケースがあるためです。
老後も賃貸で暮らす予定なら、家賃の負担だけでなく、家賃保証制度や高齢者向け住宅についても早めに調べておくことが大切です。
老後の住まいで大切なこと
老後の住まいを考えるときは、住宅ローンや家賃の金額だけで判断しないことが大切です。
広い戸建てを購入しても、年齢とともに庭の手入れや階段の上り下りが負担になることがあります。
反対に、賃貸で暮らし続ける場合は、年金生活になっても毎月家賃を払い続けなければなりません。
住宅ローンは何歳までに完済するか
住宅を購入する場合は、何歳まで住宅ローンを返済するのかを確認しましょう。
定年後も返済が続くと、年金収入から住宅ローンを支払うことになり、生活費を圧迫する可能性があります。
無理に高い住宅を購入するよりも、老後まで支払い続けられる金額かどうかを慎重に考える必要があります。
将来の住み替えも考えておく
現在は暮らしやすい家でも、10年後、20年後には生活に合わなくなることがあります。
病院やスーパーへの距離、公共交通機関の便利さ、階段の有無なども重要です。
家を買う場合も賃貸を選ぶ場合も、将来住み替える可能性を含めて考えておくと安心です。
まとめ
日本で家を買うべきか、賃貸で暮らすべきかについては、一つの正解があるわけではありません。
持ち家には、住宅ローン完済後の家賃負担を抑えられる安心感があります。
一方、賃貸には、家族構成や仕事、老後の生活に合わせて住み替えやすいというメリットがあります。
住宅購入を考える際は、住宅ローンだけでなく、税金、管理費、修繕費、将来の売却価格まで考えることが大切です。
賃貸を選ぶ場合も、毎月の家賃だけでなく、更新料、住み替え費用、高齢になってからの契約について考えておく必要があります。
大切なのは、「持ち家だから安心」「賃貸だから損」と決めつけないことです。
これからどこで、誰と、どのように暮らしたいのか。
老後に使える収入や貯蓄はいくらあるのか。
それぞれの家庭に合った住まい方を、無理のない範囲で選ぶことが、将来の安心につながるのではないでしょうか。
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