住宅ローン審査が不安な人へ|銀行が確認するポイントを解説

日本でマイホームの購入を考え始めると、多くの方が不安に感じるのが住宅ローン審査ではないでしょうか。

「年収はいくらあれば審査に通るの?」
「転職したばかりでも申し込める?」
「クレジットカードの利用状況も確認されるの?」

初めて住宅ローンを利用する方にとっては、分からないことが多いと思います。

住宅ローン審査では、単純に年収の高さだけを確認しているわけではありません。

金融機関は、申込者が長期間にわたって無理なく返済を続けられるか、購入する住宅に担保としての価値があるかなど、複数の項目を総合的に確認します。

今回は、日本の住宅ローン審査では何を見られるのか、主な審査基準や審査に落ちる理由、申し込み前に準備しておきたいことについて、初めての方にも分かりやすくまとめてみました。

住宅ローン審査基準で確認される主なポイント

年収と返済負担率

住宅ローン審査で重要になるのが、年収と返済負担率です。

返済負担率とは、年収に対して年間のローン返済額がどの程度を占めるかを示す割合です。

例えば、年収500万円の方が住宅ローンを年間120万円返済する場合、返済負担率は24%になります。

ただし、計算に含まれるのは住宅ローンだけではありません。

自動車ローン、教育ローン、カードローン、キャッシング、リボ払いなど、ほかの借入れの年間返済額も合計して判断されます。

金融機関が設定している上限まで借りられたとしても、毎月の生活が苦しくなってしまっては安心して暮らせません。

住宅ローンでは「いくら借りられるか」だけでなく、生活費や教育費、老後資金を考えたうえで、「いくらなら無理なく返せるか」を確認することが大切です。

勤続年数や雇用形態

住宅ローン審査では、収入額だけでなく、その収入が今後も安定して続くかどうかも確認されます。

そのため、勤務先、勤続年数、雇用形態、職業なども重要な審査基準になります。

一般的には、勤続年数が長いほど収入が安定していると判断されやすくなります。

ただし、転職したばかりだからといって、必ず審査に落ちるわけではありません。

同じ業種への転職や、以前より収入が上がった転職などは、転職の理由やこれまでの職歴を含めて判断される場合があります。

また、正社員だけでなく、契約社員、派遣社員、自営業者、会社経営者でも住宅ローンを利用できる可能性があります。

自営業者や経営者の場合は、会社員よりも多くの確定申告書や決算書などを求められることがあります。

申込時年齢と完済時年齢

住宅ローンでは、申し込む時の年齢だけでなく、住宅ローンを返し終わる時の年齢である「完済時年齢」も確認されます。

多くの住宅ローンでは、完済時年齢を80歳未満などに設定しています。

例えば、50歳の方が35年ローンを希望すると、完済時は85歳になります。

この場合、希望どおりの35年ローンを組めず、返済期間を短くする必要があるかもしれません。

返済期間が短くなると、毎月の返済額は高くなります。

40代や50代で住宅を購入する場合は、借入可能額だけでなく、何歳まで返済が続くのかも必ず確認しておきたいポイントです。

健康状態と団体信用生命保険

多くの住宅ローンでは、団体信用生命保険、通称「団信」への加入が融資条件になっています。

団信とは、住宅ローンの契約者が返済中に死亡した場合や、所定の高度障害状態になった場合に、保険金によって残りの住宅ローンが返済される仕組みです。

団信に加入する際には、健康状態に関する告知が必要になります。

持病や治療歴によって一般的な団信へ加入できない場合、住宅ローン審査に影響することがあります。

ただし、一般的な団信よりも加入条件が緩和された「ワイド団信」を取り扱っている金融機関もあります。

また、団信への加入が必須ではない住宅ローン商品もあるため、持病があるからといって、必ず住宅ローンを利用できないわけではありません。

クレジットカードやほかの借入れ

住宅ローン審査では、クレジットカードや各種ローンの利用状況も確認されます。

特に注意したいのが、カードローン、キャッシング、リボ払い、自動車ローン、スマートフォン本体の分割払いです。

スマートフォン本体の分割払いもクレジット契約の一つです。

そのため、支払いを長期間滞納した場合は、信用情報に記録され、住宅ローン審査に影響する可能性があります。

クレジットカードを持っているだけで審査に落ちるわけではありません。

しかし、複数のカードローンを契約している場合や、利用していない大きなキャッシング枠がある場合は、金融機関によっては借入れの可能性があると判断されることがあります。

購入する物件の担保価値

住宅ローン審査では、申込者の収入や信用情報だけでなく、購入する住宅についても審査が行われます。

住宅ローンを借りる際には、一般的に購入する土地や建物へ抵当権が設定されます。

そのため、築年数が古すぎる住宅、再建築が難しい物件、借地権付き物件などは、担保評価が低くなることがあります。

申込者の収入に問題がなくても、購入予定物件の条件によって、希望する金額を借りられない場合がある点には注意が必要です。

住宅ローン審査の流れ

事前審査から本審査へ進む

住宅ローン審査は、一般的に「事前審査」と「本審査」の2段階で行われます。

事前審査は仮審査とも呼ばれ、年収、勤務先、勤続年数、希望借入額、ほかの借入状況などを基に、住宅ローンを利用できる見込みがあるかを簡易的に確認する手続きです。

事前審査に通ったからといって、必ず本審査にも通るわけではありません。

しかし、自分がどの程度の金額を借りられそうかを確認し、住宅購入の予算を考えるための大切な手続きです。

事前審査を通過した後は、本審査へ進みます。

本審査では、源泉徴収票、確定申告書、住民票、本人確認書類、売買契約書、重要事項説明書などを提出し、返済能力や物件の担保価値が詳しく確認されます。

本審査を通過した後に住宅ローン契約を結び、住宅の引き渡しに合わせて融資が実行されるのが一般的な流れです。

夫婦で住宅ローンを組む方法

ペアローンと収入合算の違い

共働き世帯では、夫婦の収入を活用して住宅ローンを組む方法もあります。

代表的なのが「ペアローン」と「収入合算」です。

ペアローンは、夫婦がそれぞれ別々に住宅ローンを契約する方法です。

夫婦それぞれが住宅ローン控除を利用できる可能性がありますが、契約が2本になるため、事務手数料や登記費用などもそれぞれ必要になることがあります。

収入合算は、夫婦の収入を合わせて住宅ローンの審査を受ける方法です。

住宅ローンの契約者は一人となる場合が多く、もう一人は連帯保証人や連帯債務者になります。

どちらが適しているかは、夫婦の収入、将来の働き方、子育てや退職の予定によって異なります。

借入額を増やすことだけを目的にせず、どちらかの収入が減った場合でも返済できるかを考えることが大切です。

住宅ローン審査に落ちる主な理由

複数の項目を総合的に判断される

住宅ローン審査に落ちる理由は一つとは限りません。

主な理由として考えられるのは、次のようなものです。

返済負担率が高い、希望借入額が大きすぎる、ほかの借入れが多い、支払いの延滞履歴がある、勤続期間が短い、団信へ加入できない、購入物件の担保評価が低いなどです。

また、事前審査で申告した内容と、本審査で提出した書類の内容が異なる場合も、審査結果に影響する可能性があります。

住宅ローンを申し込む際は、収入や借入状況を正確に申告することが重要です。

審査に通らなかった時の対処法

一つの金融機関で審査に通らなかったからといって、すべての住宅ローンを利用できないと決まったわけではありません。

金融機関によって住宅ローン審査基準は異なるため、別の金融機関では結果が変わる場合があります。

ただし、理由を考えずに短期間で多くの金融機関へ申し込むのは避けた方がよいでしょう。

まずは借入希望額を下げる、頭金を増やす、ほかの借入れを返済する、購入物件を見直すなど、考えられる原因を整理することが大切です。

信用情報が心配な場合は、信用情報機関へ本人開示を申し込み、自分の登録内容を確認する方法もあります。

外国人でも日本の住宅ローンを利用できる?

永住権がなくても利用できる場合がある

外国籍の方でも、日本の住宅ローンを利用できる可能性があります。

永住権を持っている場合は、収入、勤続年数、年齢、信用情報などの条件を満たせば、日本人と同様に申し込める金融機関が多くあります。

永住権がない場合は、利用できる金融機関が限られたり、日本国籍や永住権を持つ配偶者を連帯保証人にすることが条件になったりする場合があります。

近年では、永住権がなくても利用できる住宅ローン商品を取り扱う金融機関もあります。

ただし、申込条件は金融機関ごとに異なり、今後変更される可能性もあるため、申し込み前に最新の条件を確認することが必要です。

住宅ローン審査の前に準備しておきたいこと

住宅ローン審査で大切なのは、年収を高く見せることではありません。

現在の収入や家計に合った借入額を選び、今後も安定して返済できる計画を立てることです。

申し込み前には、ほかのローン残高を確認し、クレジットカードや分割払いの支払いに遅れがないか見直しておきましょう。

また、毎月の住宅ローン返済額だけでなく、固定資産税、管理費、修繕積立金、火災保険料、将来の修繕費など、住宅を購入した後に必要となる費用も含めて考えることが大切です。

住宅ローンで本当に重要なのは、「いくら借りられるか」ではなく、「生活に無理なく、最後までいくら返せるか」です。

住宅ローンは、20年、30年と長く付き合うことになる大きな契約です。

焦って家を購入するのではなく、自分や家族が安心して暮らせる返済計画を考えることが、後悔しない住宅購入への第一歩なのかもしれません。


参考資料・出典

金融庁、国土交通省、総務省統計局、住宅金融支援機構(フラット35)、各金融機関の公開情報などを参考にしています。

※本記事は公開情報をもとに作成しています。

制度や金利、税制などの内容は変更される場合がありますので、最新情報は各公式サイトをご確認ください。

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