35年ローンなら完済は70代?家を買う年齢から考えたい住宅購入のタイミング

家を買う人が多いのは、仕事や暮らしが固まり始める頃

住宅購入について考え始めたとき、私は「家は30代前半くらいで買う人が多いのかな」と、何となく思っていました。

結婚して数年が過ぎ、子どもが生まれた頃にマイホームを購入する。以前はそんな流れが一般的なのだと思っていたからです。

ところが、国土交通省の「住宅市場動向調査」を見てみると、住宅を初めて取得した世帯では、住宅の種類によって差はあるものの、世帯主は30代から40代が中心です。20代のうちに購入する人だけでなく、仕事や収入、家族構成がある程度落ち着いてから住宅購入を決める人も多いことが分かります。

マイホーム購入のタイミングは、結婚や出産だけで決まるものでもありません。

子どもの入学前に住む場所を決めたい、転勤の可能性が低くなった、家賃を払い続けることが気になり始めたなど、家を買う理由は家庭によって違います。

住宅価格や頭金を準備する期間を考えれば、購入時期が30代後半や40代になることも不自然ではありません。

ここで気になったのが、家を買う年齢そのものよりも、住宅ローンを何歳まで返すことになるのかという点でした。

住宅金融支援機構の住宅ローン利用者調査では、返済期間は「30年超~35年以内」を選んだ人が最も多くなっています。2025年4月調査では、その割合は45.8%でした。35年ローンは今も住宅購入でよく選ばれている返済期間だと分かります。

35年ローンを返済期間どおりに支払うと仮定すると、完済年齢は次のようになります。

35歳で家を買えば完済は70歳、40歳なら75歳です。

私はこの表を見て初めて、30代後半で35年ローンを組むと、返済が定年後まで続く可能性があることを具体的に実感しました。

家を買う人が多い年齢だけを見ると「30代や40代ならまだ大丈夫」と思ってしまいます。しかし、住宅購入年齢の先には、必ず住宅ローンの完済年齢があります。

定年を過ぎても住宅ローンは残る?「借りられる年齢」だけでは決められない

住宅ローンは、希望すれば誰でも何歳からでも35年間借りられるわけではありません。

金融機関や商品ごとに、申込時年齢や完済時年齢などの条件が設けられています。

たとえば【フラット35】では、原則として「80歳から申込時の年齢を引いた年数」と35年のうち、短いほうが最長の借入期間になります。45歳を超えてから申し込む場合、年齢によっては35年より短い返済期間になることがあります。

ただし、完済時年齢の上限まで借りられることと、その年齢まで無理なく返せることは別の問題です。

40歳で35年ローンを組んだ場合、完済予定は75歳です。返済期間中に定年を迎えれば、給与収入が減った後も返済が残るかもしれません。

住宅ローンを考えるときは、現在の収入だけでなく、退職後の収入や生活費、教育費、家の修繕費まで含めて考える必要があります。金融庁も、収入や支出をもとに将来の家計を確認できるライフプランシミュレーターを公開しています。

私は以前、35年ローンと聞くと、契約した人は全員が35年間ほぼ同じ形で払い続けるものだと思っていました。

実際には、繰り上げ返済によって返済期間を短くしたり、借り換えで返済条件を見直したりする方法もあります。教育費の負担が軽くなってから返済額を増やすことや、退職金の一部を返済に充てることも選択肢にはなります。

ただ、将来の収入増加や退職金を前提にしすぎるのは不安です。繰り上げ返済をすれば手元の貯蓄が減りますし、退職金は老後の生活費としても必要になります。

「あとで早く返せばいい」と考えるより、まずは通常の返済だけでも続けられる金額にしておくほうが安心だと感じました。

住宅ローンでは、毎月の返済額に目が向きやすくなります。

返済期間を長くすると月々の負担は抑えやすくなりますが、その分だけ完済年齢は高くなります。反対に返済期間を短くすれば早く終わるものの、毎月の返済額は大きくなります。

どちらが正しいというより、今の家計と将来の家計の両方に無理がない場所を探すことが大切です。

私も最初は、「みんな何歳で家を買っているのか」が一番気になっていました。

けれど調べていくうちに、住宅購入で本当に確認したいのは、「何歳で買うか」だけではなく、「何歳まで住宅ローンを払い続ける予定なのか」だと気づきました。

家を買う時期が5年違えば、同じ35年ローンでも完済年齢は5年変わります。

住宅価格や毎月の返済額を確認するときに、完済予定年齢も一緒に書き出してみる。それだけでも、定年後まで返済が残るのか、老後の生活費と両立できそうかを考えやすくなります。

周囲が家を買った年齢に合わせるより、自分たちの収入と暮らしの変化を見ながら、最後まで返せる時期を考えることが、後悔しにくい住宅購入につながるのだと思います。


今回調べる中で参考にしたもの
国土交通省「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」
住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)」
住宅金融支援機構【フラット35】「借入期間は、最長何年まで?」
金融庁「ライフプランシミュレーター」

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