マンションと戸建て、今はどちらが選ばれている?両方に住んで感じた違い
日本全体と都市部では住宅の見え方が違う
私は韓国のソウルで生まれ、子どもの頃からずっとマンションで暮らしてきました。日本に来てからも、最初に住んだのは東京・新宿のマンションです。
そのため、家を購入するならマンションを選ぶ人が多いのだろうと、何となく思っていました。テレビやインターネットでも、新築マンションの価格やタワーマンションの話題を目にする機会が多かったからです。
ところが、コロナ禍をきっかけに千葉へ引っ越し、一戸建てで暮らし始めました。そこで初めて、マンションと戸建ては価格や広さだけでなく、毎日の暮らし方そのものが大きく違うことに気づきました。
では、日本では現在、マンションと戸建てのどちらが多く選ばれているのでしょうか。
総務省の「住宅・土地統計調査」を見ると、日本にある住宅全体では、今も一戸建てが大きな割合を占めています。ただし、この数字は現在存在している住宅の構成を示したもので、最近住宅を購入した人がどちらを選んだのかを、そのまま表すものではありません。
一方、国土交通省の「住宅市場動向調査」などを見ると、住宅の選ばれ方には地域差があることが分かります。
東京や大阪などの都市部では、駅から近い場所や通勤しやすい地域で家を探すと、マンションのほうが選択肢を見つけやすい場合があります。オートロックや防犯カメラ、管理人がいる物件も多く、共働き世帯や単身世帯にとって、管理しやすいことも魅力です。
ただし、都市部のマンションが戸建てより安いとは限りません。駅に近い新築マンションでは、戸建て以上の価格になることもあります。都市部でマンションが選ばれやすいのは、単純な価格差だけでなく、立地や通勤時間、管理のしやすさが重視されるためだと感じました。
一方、土地を確保しやすい地域では、一戸建てが選ばれやすい傾向があります。駐車場を複数台分確保できたり、庭や収納スペースを持てたりするため、子育て世帯だけでなく、ペットとの生活や在宅勤務を考える人にも合いやすい住宅です。
住宅購入は、必ずしも結婚や出産をきっかけにするものだけではありません。単身で駅に近いコンパクトマンションを購入する人もいれば、広さやペットとの暮らしを優先して戸建てを選ぶ人もいます。
「独身ならマンション」「家族なら戸建て」と簡単に分けられるものではなく、住む場所や生活の優先順位によって答えが変わる時代になっているようです。
マンションしか知らなかった私が戸建てに住んで感じたこと
マンションで暮らしていた頃、便利だと感じていたのは防犯と管理の面でした。
オートロックがあり、管理人がいて、建物の共用部分は定期的に清掃してもらえます。廊下やエントランスの掃除を自分でする必要もなく、設備に問題があれば管理会社へ相談できました。
長くマンションで暮らしていたため、それが当たり前のことだと思っていました。
一戸建てに移ってから特に良かったと感じるのは、猫たちの足音を以前ほど気にしなくてよくなったことです。
我が家には3匹のベンガル猫がいます。ベンガル猫は運動量が非常に多く、部屋の中を勢いよく走ったり、高い場所へ飛び乗ったり、そこから飛び降りたりします。ジャンプ力も驚くほどあり、静かに暮らすタイプの猫とは少し違います。
もし今もマンションに住んでいたら、猫たちが走るたびに、下の階へ音が響いていないか気になっていたと思います。現在は戸建てなので、階下への生活音を心配する必要がありません。猫たちが急に運動会を始めても、以前より気持ちに余裕を持って見ていられます。
もう一つ、想像以上に便利だったのが駐車場です。
今の家では玄関のすぐ前に車を停められます。スーパーで飲み物やお米、猫用品などをまとめて買っても、車からすぐ家の中へ運べます。
マンションでは、駐車場からエントランスへ入り、エレベーターに乗り、さらに部屋まで荷物を運ばなければなりません。荷物が多い日は何度か往復することもありました。
戸建てに住み始めてからは、その負担がほとんどなくなりました。小さな違いに見えますが、毎週繰り返す買い物のことなので、暮らしやすさへの影響はかなり大きいと感じています。
もちろん、一戸建てには大変な部分もあります。
外回りの掃除や草木の手入れ、建物の修繕についても自分たちで考えなければなりません。マンションでは管理会社に任せていた部分まで、戸建てでは所有者が管理します。
防犯面でも、玄関だけでなく窓や勝手口などを自分で確認する必要があります。マンションのように管理人がいるわけではないため、防犯設備や戸締まりへの意識も以前より高くなりました。
お金のかかり方にも違いがあります。
マンションでは、住宅ローンとは別に管理費や修繕積立金を毎月支払うのが一般的です。戸建てでは毎月決まった修繕積立金を払わない代わりに、外壁や屋根、給湯器などの修理費を自分で準備しておく必要があります。
毎月支払うか、自分で時期を見ながら貯めるかという違いはありますが、どちらも購入後の維持費を考えずに済むわけではありません。
私自身、マンションで暮らしていた頃は、防犯や建物管理の便利さを当たり前のように受け取っていました。一戸建てに移ってからは、猫たちの生活音を気にせずに暮らせることや、玄関前に車を停められる便利さを知りました。
その一方で、戸建てでは建物の管理も防犯も、自分たちで考えなければなりません。
マンションと戸建てのどちらか一方が優れているというより、便利に感じる部分と負担に感じる部分が違うのだと思います。
家を選ぶときは、世間で人気のある住宅を基準にするよりも、毎日の生活で何を楽にしたいのかを具体的に想像することが大切です。
私の場合は、ベンガル猫たちの生活音と、買い物後の荷物運びが、実際に戸建てへ住んでみて初めて分かった大きな違いでした。
参考資料
総務省統計局「住宅・土地統計調査」
国土交通省「住宅市場動向調査」
国土交通省「住生活基本計画」


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