「早く稼げる」と思っていました。副業を始めて見えてきた黒字までの距離
YouTube、TikTok、Instagramなどを見ていると、副業で収益を得ている人の話がよく目に入ります。
「自分にもできるかもしれない」
私もそんな気持ちから、少しずつ新しいことを始めるようになりました。
始める前は、投稿を続けていれば数か月後には少しずつ収益が出て、そこから必要な道具やサービスを増やしていくものだと思っていました。
ところが実際は、その順番が逆でした。
収益が入ってくるより先に、AIの利用料や動画編集ソフトなどの支払いが始まります。新しいことを試すたびに、「これもあったほうが便利かもしれない」と契約するサービスが増えていきました。
一つひとつの料金を見ると、それほど大きな金額には感じません。
月額2,000円、3,000円程度なら、必要経費として仕方がないと思ってしまいます。
けれども、それが三つ、四つと重なると、まだ売上がない時期にも毎月まとまったお金が出ていきます。
副業の収益について考えるつもりが、いつの間にか副業の固定費について考える時間のほうが長くなっていました。
収益が出る前からお金がかかる。副業で最初につまずいたこと
私の場合、ブログだけなら大きな初期費用はかからないと思っていました。
ところが、文章を書くためにAIを使い、画像を作るために別のサービスを試し、動画も始めると編集ソフトが必要になります。
作業を効率化したくなるほど、有料サービスが魅力的に見えてきます。
無料版では回数に制限があったり、使いたい機能が有料版にしかなかったりするため、「副業を続けるなら必要な投資だろう」と考えて契約したものもありました。
もちろん、実際に使ってみなければ自分に合うかどうか分からないサービスもあります。
ただ、振り返ってみると、最初の段階では無料版でも十分だったものや、契約したものの使う回数が少なかったものもありました。
それでも毎月の利用料は自動的に引き落とされます。
「月額だからいつでもやめられる」と思っていると、一回の支払いが小さいこともあって、見直しを後回しにしがちです。
私はここで初めて、副業の初期費用はパソコンやカメラのように最初に一度だけ払うお金だけではないと気付きました。
AI利用料や編集ソフト、素材サイトなど、毎月続くサブスクも含めて考えなければ、本当の費用は分かりません。
そして、「この支払いは副業の経費になるのだろうか」という疑問も出てきました。
国税庁の説明では、副業などによる業務に関する雑所得は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。ただし、支払ったものが何でも経費になるわけではなく、収入を得るために直接必要だったかどうかが大切になります。
そのため、収益がまだ少ない時期でも、利用したサービスの名前、支払日、金額、何のために使ったのかを残しておいたほうがよいと分かりました。
副業を始める前は、売上が出てからお金を管理すればよいと思っていました。
実際には、売上がない時期ほど、何にいくら使っているのかを把握しておく必要がありました。
黒字を急ぐより、赤字のままでも続けられる金額を考えるようになりました
副業を始めたばかりの頃は、「早く利用料の元を取りたい」という気持ちが強くありました。
有料のAIを契約したのだから、できるだけ毎日使わなければもったいない。
編集ソフトにお金を払っているのだから、もっと動画を作らなければならない。
そう思うと、副業を自分のペースで続けるよりも、月額料金に追いかけられているような気持ちになることがありました。
そこで、黒字になる時期を予想するより先に、「収益がしばらく0円でも、この費用なら続けられる」と思える上限を考えるようになりました。
中小企業庁の資料でも、事業を続けるうえでは資金繰りの計画や、事業の見通しとその根拠を考えることが重視されています。副業は会社経営ほど大きな規模ではありませんが、入ってくるお金と出ていくお金を先に考えるという点は同じなのだと思いました。
今は、新しいサービスが気になっても、すぐに契約しないようにしています。
まず無料版を使い、今使っているサービスでは本当に代用できないのかを確認します。有料版に変えるときも、「便利そうだから」ではなく、「この機能を毎週使うから」と理由を説明できるものだけに絞ります。
新しく一つ契約したら、しばらく使っていないものがないかも確認します。
家計についても、副業についても、小さな支出を一度書き出してみると、頭の中だけで考えていたときとは見え方が変わります。総務省統計局の家計調査も、世帯の収入だけでなく、何にいくら支出しているのかを継続して把握する調査です。数字を記録して初めて分かることがあるという点は、副業のお金の管理にも通じると感じました。
私自身、まだ副業で安定した収益を得ているわけではありません。
それでも、始めた頃よりは「黒字になるまでの時間」だけを気にしなくなりました。
すぐに収益が出なくても、負担にならない金額で続けられていれば、投稿した記事や動画、身につけた知識は少しずつ残っていきます。
もし今、「副業を始めるなら、先に道具をそろえたほうがよいのかな」と考えているなら、最初から完璧な環境にしなくてもよいと思います。
無料で試して、不足を感じたものだけを一つずつ追加する。
副業で最初に決めるべきなのは、いくら稼ぎたいかだけではなく、収益が出るまで毎月いくらなら無理なく使えるかだったのだと、今になって感じています。
今回参考にした資料
国税庁「雑所得」「必要経費の知識」
中小企業庁「早期経営改善計画策定支援」「2023年版 中小企業白書」
総務省統計局「家計調査」
※本記事は、公的機関が公開している情報を参考にしながら、副業を始めて感じたことを交えてまとめています。所得の区分や必要経費の扱いは、働き方や収入の状況によって異なります。税制や制度の最新情報は、国税庁などの公式サイトや税務署、税理士へご確認ください。





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