「家で稼げる」に惹かれて始めたYouTube。私には向いていませんでした

私がYouTubeに興味を持ったきっかけは、とても単純でした。

家にいる時間も比較的多く、ノートパソコンさえあれば誰でもすぐに始められる。通勤も必要なく、自分の好きな時間に動画を作れば収入につながる。

そんな内容の動画を見て、「これなら私にもできるかもしれない」と思ったのです。

ところが、YouTube副業について調べ始めると、今度は「YouTubeで稼ぐ方法」を教える動画ばかりが、おすすめに並ぶようになりました。

「この方法なら最短で収益化できる」

「この講座を受ければ登録者が増える」

「この本に書かれた通りにすれば稼げる」

よく見ると、動画の最後には自分の講座や教材、書籍、有料コミュニティーの案内が付いていることも少なくありません。

もちろん、購入して本当に役立つものもあると思います。

ただ、視聴者に情報を教える動画に見えても、実際には商品やサービスを販売するための広告になっている場合もあります。私自身、当時はその違いをあまり意識できていませんでした。

消費者庁は「簡単に稼げる」「高額報酬」といった言葉を強調する副業広告をうのみにしないよう注意を呼びかけています。国民生活センターにも、安い教材を購入したあと、高額なコンサルティングやソフトウェアの契約を勧められたという相談が寄せられています。

YouTubeに限った話ではありませんが、「すぐに稼げる」と繰り返す人が、何によって収益を得ているのかは、一度立ち止まって確認したほうがよいと思います。

YouTube収益化より先に、AIと編集ソフトの支払いが増えていきました

実は私は、ジャンルを変えながらYouTubeチャンネルを三つほど運営しました。

始める前は、動画を作る技術さえ覚えれば、少しずつ再生回数や登録者も増えていくと思っていました。

ところが、実際に難しかったのは編集そのものより、見てもらうことでした。

時間をかけて動画を作っても、再生回数がほとんど増えないことがあります。投稿を続けても、YouTube登録者1000人はなかなか近づいてきませんでした。

YouTubeで本格的な広告収益を得るには、原則として登録者1000人に加え、直近12か月の有効な公開動画の総再生時間4000時間、または直近90日間の有効な公開ショート動画1000万回再生などの条件があります。より低い基準で一部の収益機能を利用できる制度もありますが、条件を満たせば自動的に大きなYouTube収入が得られるわけではありません。

では、始めた人のうち何%がYouTube収益化まで到達するのでしょうか。

私も気になって調べましたが、YouTubeは全チャンネルのうち、何%が収益化しているのかという正確な数字を公表していません。研究者も、YouTube上のすべてのチャンネルを把握できる公式データがないため、全体の正確な割合を計算するのは難しいと指摘しています。

一方、動画分析サービスのvidIQが登録者1000人に到達した約530万チャンネルを分析したところ、150本を超える動画を投稿してから到達したチャンネルが最も多く、全体の約31%だったとしています。これは「始めた人の31%が成功した」という意味ではなく、登録者1000人に到達したチャンネルの中にも、かなりの本数を積み重ねた人が多かったというデータです。

登録者が増えない時期、私は動画の内容よりも、作り方を変えれば何とかなるのではないかと考えていました。

「Grokを使えば台本が早くできる」

「CapCutの有料版なら編集が楽になる」

「今度はこの動画生成AIがすごいらしい」

新しいAIが紹介されるたびに気になり、実際に契約したものもあります。

今思えば、動画を作っている時間よりも、次に使うAIを探している時間のほうが長かった時期さえありました。

Grokを契約し、CapCutにもお金を払い、さらに新しく出た動画生成AIにも登録しました。

しかし、道具が増えても登録者が自動的に増えるわけではありません。

収益は出ていないのに、AI利用料や編集ソフトの月額料金だけは毎月引き落とされます。結局、十分に使わないまま解約したサービスもありました。

今振り返ると、お金だけでなく、あれこれ試した時間も使いました。

「あの時間は別のことに使えたかもしれない」

そう思うこともあります。

有料ツールが悪いわけではありません。自分に必要な機能が明確で、継続して使う人には便利です。

ただ、YouTubeを始めたばかりの人が「これさえ買えば収益化できる」と考えて契約するのは、少し危ないと思います。

私はYouTubeを続けられなかった。でも、ブログなら今日も書けます

三つのチャンネルを試したあと、私はYouTubeをやめました。

私には向いていなかったのだと思います。

動画を作ることが嫌いだったわけではありません。それでも、企画を考え、画像や映像を用意し、編集し、長い時間をかけて書き出したあと、ほとんど見られない状態が続くことに疲れてしまいました。

一方、今続けているのがブログです。

ブログも、まだ大きな収益が出ているわけではありません。

それでも、文章を書くことは苦になりません。新しいことを調べ、自分なりに理解し、それを一つの記事にする作業は続けられています。

今日は何を書こうか、次はどんなことを知りたい人がいるだろうか。

そう考える時間も、私は嫌いではありません。

YouTube、TikTok、Instagram、ブログなど、今は副業に使える場所がたくさんあります。

だからこそ、「一番稼げるらしいもの」を選ぶより、自分が半年後も一年後も続けられそうなものを選ぶほうが大切なのだと思うようになりました。

私はYouTubeを三つ続けて、「自分には合わない」と分かりました。

でも、その経験があったからこそ、今はブログを続けられています。

遠回りだったようで、私には必要な遠回りだったのかもしれません。

まだブログで十分な収益が出ているわけではありません。

それでも今日も書いています。

副業は、稼げるものを探すより、続けられるものを見つけるほうが難しく、そして大切なのだと、今は思っています。

今回参考にした資料

YouTubeヘルプ「YouTubeパートナープログラムの概要と利用資格」
消費者庁「簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起」
独立行政法人国民生活センター「情報商材に関する消費者トラブル」
vidIQ「登録者1000人に到達するまでに必要だった動画本数の分析」

※本記事は、公開されている情報と、私自身が三つのYouTubeチャンネルを運営した経験をもとにまとめています。YouTubeの収益化条件は変更される場合がありますので、最新情報はYouTube公式ヘルプをご確認ください。


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