「頭金0円なら今すぐ買える」に惹かれた私が、少し立ち止まるようになった理由
最近はInstagramやYouTube、TikTokなどで、住宅に関する広告をよく見かけます。
中でも目に入りやすいのが、
「頭金0円でマイホーム」
「自己資金なしでも住宅ローンOK」
「家賃並みの支払いで購入可能」
といった言葉です。
私も最初は、「頭金を用意しなくても家を買えるなら、そのほうが早いし楽なのでは」と思っていました。
ところが住宅ローンについて読み進めるうちに、頭金0円には便利な面がある一方で、返済額や将来の売却まで考えておきたいことが分かってきました。
頭金を入れず、住宅価格のほぼ全額を借りる方法は、一般に「フルローン」と呼ばれることがあります。
今回は、SNS広告を見て気になった「頭金0円の住宅購入」について、初心者なりに理解した内容を書いてみます。
「頭金0円」は特別な買い方ではない
以前は、住宅価格の2割ほどを頭金として用意するのが一般的だと言われていました。
しかし現在は、住宅価格の100%近くまで融資する住宅ローンを扱う金融機関もあります。
商品によっては、登記費用や仲介手数料、ローン事務手数料などの諸費用まで借入れに含められる場合もあります。
そのため、「頭金0円」という広告がすべて大げさな表現というわけではありません。
実際に、自己資金をあまり使わずに住宅を購入できる仕組みはあります。
ただし、同じ「頭金0円」でも、住宅価格だけを借りるのか、諸費用まで借りるのかで借入総額は変わります。
金利や手数料、審査条件も金融機関によって異なるため、「0円」という言葉だけで内容を判断しないほうがよさそうです。
貯金をすべて頭金にしない考え方もある
頭金を入れないことは、必ずしも無計画な選択ではありません。
住宅を購入したあとには、ローン以外にもまとまった出費が発生します。
引っ越し費用、家具や家電、カーテン、照明、エアコン、外構工事など、実際に住み始めるまでに予想以上のお金がかかることがあります。
貯金の多くを頭金に使ってしまうと、その後の生活費や急な修理、病気などに対応しにくくなるかもしれません。
そのため、あえて頭金を少なくし、手元資金を残しておく考え方もあります。
また、希望する地域で住宅価格が上がっている場合は、頭金を貯めている間に購入価格そのものが高くなる可能性もあります。
早めに家を買うことに意味を感じる人がいるのも、こうした事情があるからだと分かりました。
借入額が増えることは、想像以上に大きな違いでした
一番気になったのは、頭金を入れない分だけ借入額が大きくなることでした。
例えば4,000万円の住宅を購入するとします。
頭金を500万円入れれば、住宅ローンの借入額は3,500万円です。
一方、頭金0円なら4,000万円を借りることになります。
差額は500万円ですが、その500万円にも長期間にわたって利息がかかります。
毎月の返済額だけを見ると大きな差に感じなくても、35年間の総返済額で比べると負担が広がる可能性があります。
さらに、住宅価格だけでなく諸費用まで借りる場合は、物件価格を上回る金額を返済していくことになります。
広告では「月々○万円」と表示されることが多いですが、金利が変わった場合の返済額や、最終的にいくら払うことになるのかまで確認しておきたいところです。
一番怖かったのは「売ってもローンが残る」可能性
住宅ローンについて学ぶ中で、特に印象に残ったのが「オーバーローン」という言葉でした。
オーバーローンとは、住宅ローンの残高が、その時点での住宅の売却価格を上回っている状態です。
例えば4,000万円を借りて購入した家が、数年後に3,200万円でしか売れないとします。
その時点でローン残高が3,600万円なら、家を売っても400万円が残ります。
売却代金だけでは完済できないため、不足分を自己資金で補う必要が出てくる可能性があります。
もちろん、頭金0円で購入した人が全員オーバーローンになるわけではありません。
住宅の価値がどの程度下がるかは、地域、築年数、建物の状態、売却する時期によって異なります。
長く住み続ける予定なら、すぐに問題になるとも限りません。
それでも、転勤、離婚、親の介護、家族構成の変化などで家を手放す可能性はあります。
「いざとなれば売ればよい」と簡単には考えられないことを知り、私は少し怖くなりました。
「0円なら審査も通りやすい」は勘違いでした
SNS広告を見ると、頭金がなくても気軽に住宅ローンを利用できるように感じることがあります。
しかし、頭金0円だからといって審査が甘くなるわけではありません。
住宅ローンの審査では、年収、勤続年数、勤務先、他の借入れ、信用情報、返済負担率などが確認されます。
借入額が大きくなれば、その分だけ返済能力も慎重に見られる可能性があります。
また、頭金の有無によって適用金利が変わる商品や、融資率が高い場合に金利条件が異なる住宅ローンもあります。
「頭金0円で借りられるか」だけでなく、「どの条件で借りられるのか」まで比較しなければ、本当の負担は分かりません。
「0円」は負担が消えるのではなく、あとで返す金額に変わる
私は以前、「頭金0円」という広告を見ると、初期費用を抑えられてお得そうだと感じていました。
でも実際には、支払わなくてよくなるわけではなく、借入額として将来返していく形に変わるだけです。
手元資金を残せることや、購入時期を逃さずに済むことは、頭金0円の確かな利点だと思います。
一方で、毎月の返済額、利息を含む総返済額、金利上昇の影響、将来売却するときのローン残高まで考える必要があります。
頭金0円は、良いか悪いかだけで決められる方法ではありません。
自分たちがどのくらいの期間その家に住むのか、収入が減っても返済を続けられるのか、購入後も十分な貯金を残せるのか。
家は何十年も付き合う大きな買い物だからこそ、広告の「0円」より、自分に無理のない返済計画を考えることのほうが大事なのかもしれません。
今回調べる中で参考にしたもの
・金融庁「住宅ローンを利用する方への情報」
・国土交通省「住宅・不動産に関する情報」
・住宅金融支援機構「住宅ローン利用者に関する調査・フラット35」
・一般社団法人 全国銀行協会「住宅ローンの基礎知識」




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